第二話



お・・さ・!おに・さん!おにいさん!!
ん?!・・・誰かが話しかけてくるようだ。
色は、いきなりガバッって体を起こした。すると、ゴツン!!!頭を何かに思いっきりぶつけた。
「いてぇぇぇぇっ!!!」
頭を抱え込み痛がる色。
そっと目を開けると、目の前に・・・本当に目の前に、瞳をうるうるさせた少女がこっちを見ている。
色はすぐに一言・・・
「あんた誰!?」
彼女は、答える様子がない・・・っていうかまだ、痛がっていてこっちの話しに耳を傾けていないらしい^^;
色は、ここであることに気がついた。ん!?・・・・ここはどこだ^^;っていうか、オレの部屋は、あれ?目の前にあったはずのパソコンは・・・
辺りを見回す限り、ここはオレの部屋ではない。
それどころか回りは木・木・木^^;ここは、アマゾンか!って自分にツッコミを入れたくなるほどの、草木・・・それどころか近くには、川さえ流れている。

「あのぉ〜?おにいさん!おにいさん!」
目の前の彼女が、ちょっと怒り気味で何か言っているらしいが、色は今それどころではない^^;
《きっとこれは夢だ!そうに違いない!こんなことが起きるはずがない。早く目を覚まさなくてはヽ(×□×;)ノ》
そう色が心に言い聞かせている時だった。急に顔にやわらかいものが、ぶつかってきた!!!
そう!ある程度の人が思っている通りです^^;彼女が勢い余って、色に倒れてきたのです。ちょうど、色の顔の場所に彼女の胸が・・・^^
(ご都合主義はこれだからw)
色は、思った!!!・・・現実でいいや♪(ノ≧∀≦)ノ
色は、この感触を楽しもうと、腕を回して彼女を抱きしめようとした。
その時である。顔から、やわらかい感触がなくなるのと同時に、頭に衝撃が加わった。それは彼女がしたことであった。彼女は、また瞳をうるうるさせながらこっちを見ている
。 しかも、片手にはハリセンが・・・
《なんだ!彼女は・・・っていうかあのハリセン!そうハリセン!オレの記憶が正しいなら、さっきはハリセンを持っていなかったはずだ^^;》
それは、さておき色は尋ねた。「あの〜!ここはどこなんですか?」彼女は、すぐ答えた。
「ここは森ですけどぉ〜!?」・・・答えになっていない^^;
色は、もう一度尋ねた!「あの〜すいません。この場所はどこなんですか?」また彼女は、すぐに答えた
「だからぁ〜ここは森ですってばぁ〜」
色は、もう尋ねるのは諦めたらしい。尋ねることもなくなり何を話そうか考えている時に、彼女の方から話しかけてきた。
「えっとぉ〜、あのぉ〜?、そのぉ・・・勇者さんですよねぇ〜!?」
いきなり意味不明な質問を投げかけられ、戸惑う色!それを察したのか、その彼女はまたしゃべりかけてきた。
「だってあなたの横にある剣と腕輪って、あなたの物ですよねぇ〜!?」
ん・・・!?その問いかけに、色は辺りをきょろきょろ見回した。あった!本当にあった!オレのすぐ側に、剣と腕輪が落ちているではありませんか。⊂(゚Д゚,,⊂⌒`つ
その二つをオレは手に取ってみた。初めて触ったはずなのに、なぜか昔から使っていたようにしっくりくる感じがした。
「やっぱりおにいさんのじゃないですかぁ〜!」彼女は、うれしいそうに言う。
色は思わず
「うんそうだった^^;」
流れにまかせ、色は言ってしまった。言わなくてよかったのに言ってしまった。これからどうなるかもしらないで・・・
彼女はオレに手を差し伸べてきた。そういえばオレはまだ、地べた座った状態にあったのだ。オレは彼女の手につかまって起き上がろうとした。オレの体重を全部彼女に預けた瞬間・・・
「きゃっ!」彼女はオレに向かって倒れてきた!
お決まりで、彼女の胸はオレの顔に
(ご都合主義っていったい^^;)
彼は、本日2度目のラッキーを得た♪と同時にまた頭に衝撃!!!
「ドカッ!ドカドカ!」さっきより、痛い(;_;)彼女は、わざとだと思ったらしい。しかし、怒ってはいない。また瞳をうるうるさせている。
彼女は、また手を差し伸べてくる・・・色は思った
《彼女は悪いやつではない・・・わざとでもないようだ・・・しかしアホのうえに天然だ^^;》
2回目は、彼女の手を取らずに起き上がった。きっと永久に同じことの繰り返しだろうと思ったからだ!それに、紙とはいえ、結構きついハリセンをくらうのが嫌という理由の方が大きいのだけれど^^;
彼は立ち上がった。冷静に周りを見回してみる。・・・やっぱりここは普通の場所じゃないらしい。森の中の森♪最上級の森っていったところだ。こんな森ゲームの中ぐらいのものじゃ・・・・・ん!?
彼は忘れていたのだ。そう!オレはゲームをしようとスタートを押しただけだ!!そう!ゲームだ。ゲームの中に違いない!
いつもは、とろとろしている彼だけど、こういう事情を飲み込むのは早いらしい。むしろ微妙にうれしそうだ。
《うっしゃぁ〜!ゲームの中に来たんやぁ〜♪来たぁっ〜、人生の転機がおとずれたんや〜!神様・・・いや、ゲームの製作者ありがと〜!》
色の魂の叫びが、どこかにこだました♪
「あのぉ〜!?勇者さん!町に来ないんですかぁ〜!?」彼女が尋ねてきた。
えっ!?町?・・・そうか、人がいるなら町があるはずだもんな。うんうん!ゲームでも、最初は町にいっていろいろ情報収集や必要なものを集めなくては。
「ねぇ〜!勇者さんってばぁ〜?」ん・・・色は迷ったふりをしつつ、 「そんなに言うなら行ってあげよう♪」少し恩着せがましく言った。
そんなことを気にせず喜ぶ彼女。
「うわぁ〜い♪久々の勇者さんだぁ〜☆」「よし、ではさっそく町に行くとするか!」
この時、色は気づかなかった。
彼女の言葉を・・・
『「うわぁ〜い♪久々の勇者さんだぁ〜☆」』・・・『久々の』
そして、オレたち二人は町に向かって歩きだした。彼女はここ、花をつみに来たらしい。片手には、どこに咲いていたのかわからない花を持っていた。
彼女は、オレの前を道案内をするように歩いていた。彼女が急に後ろを向いた。
危なっかしい^^;
後ろ向きで歩き始めたのだ。
彼女は、オレに言った。
「あのぉ〜!勇者さんはお名前なんて言うんですかぁ〜!?」
そうだった、まだ彼女の名前すらわかっていなかったのだ。
《ここは簡単な自己紹介でもしておくべきだな》と思った。
色は、言った。 「オレの名前は色!どこから来たのかは秘密なので言えないが、旅をしている途中だったのだ!」
うそまじりで、相手に警戒心をもたれないように無難に話した。
「へぇ〜。勇者さんのお名前はシキっていうんだぁ〜!しかも秘密の旅ですかぁ〜♪かっこいいですねぇ〜☆o(^-^o)(o^-^)o」彼女は笑顔で話してくれた♪
かっこいいって言われて、嬉しくない訳がない!
ガラにも似合わずテレている色(ノ≧∀≦)ノ
色は、テレながら
「君の名前はなんて言うんだい?!」
彼女も少しテレながら、
「私の名前は、ヒ・・」
急に彼女が、視界から消えた^^;
彼女は、みぞに落ちたのだ(>_<)
色は、急に心配になってきた。
彼女に道をまかせていいものかを・・・
そして、これからの冒険を・・・
それよりも、彼女の天然さが心配になってきた^^;
色は、彼女をみぞから出してやるべく彼女に駆け寄った・・・


          (続く・・・


小説トップへ