第三話



二人は、町が見える場所まで来ていた。
いや・・・町というか・・・あれはどっから見ても、集落^^;よくて村ってとこだ。
泥だらけのヒノメは、ここまでの道案内に満足げのようだ!
あっ!そうそう、彼女の名前は『ヒノメ』と言うらしい。あれから、ちょうど3度目のみぞに落ちた時に、まともに聞き取れたのだ^^;
二人は、さっそく町・・・もとい村に行くことにした。ヒノメは、るんるん気分でスキップをしながら両手を思いっきり振っている。
手には、もう花の姿はない^^;
2度目のみぞに落ちた時に、完全に花からゴミへと姿を変えたのだ^^;いったいヒノメは、何をしに森に入ったことやら。
こちらの、心配をよそにヒノメは笑顔でスキップをしている。
考えるだけで無駄のようだヽ(×□×;)ノあれこれ考えているうちに、ヒノメの村に着いた。
「みんなぁ〜!久々に新しい勇者さんですよぉ〜♪」うんうん!
《勇者様の登場だよ〜☆》声に出さないが色はニタニタ笑っている^^;
《ん!?・・・久々の新しい勇者さん?・・・久々!!!》
そう!このアホ主人公は、今頃このおかしな発言に気づいたのである♪
「おい!ヒノ・・・」
色が、尋ねようとするヒマまもなく村の人々が寄ってきた。
「おぉ〜!勇者様。私たちを助けに来てくださったのじゃな。」
「わ〜い勇者様!剣を見せて〜♪」
「お助けを・・・」
「今度のは、まともそうね・・・^^:」「また、来たか」
「ぼそぼそぼそ・・・」
村人たちは、好き勝手に言いたい放題である。
その会話に、割り込むように老人が入ってきた。
「勇者様!なにとぞ旅の疲れもあるだろう。今日は、ゆっくり体を休めてください・・・明日!相談したいことある。昼頃にワシの家に、訪ねて来ておくれ。」
「今日は、ヒノメの家に泊まりなさい」
老人は、そう言い残すと村人たちに家に戻るように言い、その場を立ち去った。
ヒノメは、オレに向かって
「さぁ〜!勇者さん。私の家に行きましょうよぉ〜♪」
そう言うと、ヒノメはオレの腕をぐいぐい引っ張りながら、どっかに連れて行く様子だった。
一軒のみすぼらしい家の前で、ヒノメは立ち止まった。
「じゃっじゃ〜ん!ここが、私の家なのだぁ〜♪さぁ〜散らかっているけど、遠慮しながら入ってくださいですぅ〜♪」
ヒノメは、ドアを開けた。
中はそれほど、散らかってな・・・散らかりすぎ^^;お世辞にも、きれいとは言えない。
ヒノメは慣れてる様子で、足の踏み場もない場所のゆいつの踏み場をきれいに、ジャンプしながら進んでいく!ヒノメは言った。
「お風呂入ってくるのでぇ、勇者さんは適当に待っててくださ〜い」
そう言い残すと、ヒノメは奥に消えていった。・・・・・・・・・
水の音が聞こえる!・・・・・・・・・
はぁ〜・・・・・・・・・
よし!色は何か重要な決断をしたごとく。その場を離れ、ヒノメが消えていった奥へ向かった。
そう!覗きだ!ギャルゲーでよくある光景・・・いや!行為だ^^;
色は、水音が聞こえる場所の目の前に立っていた。そこには、ドアも付いてなくカーテンのようなもので仕切られている場所だった。色は、そっと布と布の隙間から覗いた^^;
しかし残念ヽ(×□×;)ノ
湯気で何も見えない・・・《ちぇっ!つまんないの。ゲームならここぞとばかりに、湯気が晴れていく・・・》
そう考えているうちに、なんと湯気が晴れてきたのだ。(でたぁ〜!ご都合主義(笑)(ノ≧∀≦)ノ)
  《よし!》
色は心の中で、ガッツポーズをとった。まだ少しぼやけているが、あれはヒノメの裸だ!やはりここは、お風呂場だったのだ。ヒノメはちょうど、ここから見て横を向いている状態だった。
色は心のなかで 《こっち向け〜!こっち向け〜!》 と祈っていた。
そうすると、願い事が通じたのかヒノメが急に動いた!
《きたぁ〜!ヒノメきたぁ〜!》
心の中で、まさにカーニバル状態・・・と思いきやヒノメはちょうど、こちらに背を向けるように動いてしまったのだ^^;
《ちっ!ご都合主義はどこにいったんだ!!!》
と思いつつも、じっとヒノメを見る色!
ヒノメの背中を見て・・・気になることが!!!
傷跡があるのだ。しかも、その辺によくある傷跡ではない!右の肩から左の腰辺りまでの長い大きな傷跡。
なぜ、こんなにも大きな傷跡があるのか、色は少し考え込んでしまった。
結論がでないままふと、ヒノメを見上げると目の前には居なくなっていた。
しかし、すぐ横に布を体に巻きつけ、瞳をうるうるさせながらヒノメがいた。
そこでオレは一言!・・・
「きれいだよ♪ヒノメ♪」
布を押さえている手の反対側には、ハリセンがしっかりと握り締められていた。
「なぁ〜^^;話せばわかるって・・・わかる訳ないな」
ヒノメは、うなずいた。それと同時に、今日で一番強烈な衝撃を頭にくらった。
気が付くと、外はもう真っ暗だ。気絶していたらしいヽ(×□×;)ノ
横のテーブルには、食べ物が乗っている。そして、ヒノメがいる。ヒノメは何事もなかったように、食べ物を進めてくる。
オレはすぐに食らいついた。今日は一度も、ご飯を食べていなかったのだから・・・
食事がすむと、急に眠気が襲ってきた。オレはそのまま寝てしまった
(〜0〜)zzZZ 

気が付くと、目の前にヒノメの顔があった・・・
「うわぁぁぁ〜!!!」
オレは思わず声をあげてしまった。あちらは、こちら以上に驚いている様子だった。
ヒノメはオレに
「おはようぉ〜!勇者さん♪」
と言った。
オレもすぐに、おはようと言い返した。
外はすでに明るくなっていた。そうだ!老人のとこに行って、話しを聞かないと!さっそく、オレは老人のところに行くことにした。
ちゃっかりとヒノメもついてくる様子だった。
老人の話は、こうだ!ある化け物に、この村の大切なものが奪われた。これがないとこの村の・・・いや!村人が平和に暮らしていけない、ということだった。
色は《うわぁ〜!ゲームによくある話だぁ〜。何者かに取られた、何かもわからないものを取り返してこいって・・・ワンパターンだな^^;》
と思いつつも、けっして口に出さない色だった。
その話しをし終えると、老人は黙った
《やっぱり黙ったか!》
色は、一応聞いてみた!
「その奪われた大切なものって何なんですか!?」
老人は、かたくなに黙ったまましゃべろうとはしない
《やっぱし(σ・∀・)σ》
それを見かねた色は、
「わかった引き受けましょう♪」
と言った。
老人は、急に笑顔になり握手を求めてきた。老人によれば、今までこの村にきた勇者様は、このことを引き受けたが戻ってきたものはいないという話だ!
オレでちょうど50人目らしい^^;
これで、『久々』のなぞは解けた・・・
しかし、また新たなる疑問がわいてきた。《勇者ってそんなにたくさんいるものだろうか!?・・・》
しかし、この思いはすぐに心の奥にしまいこんだ。
《今から、本格的な冒険がまっているのだ!そんなこと、あとあと!》 色の顔は、すごい笑顔になっている・・・むしろ、ニタニタ笑っている様子だ。
その、化け物の住処はこの村から出て、もう一つ村を越えたところの洞窟にあるのだと言う。
その老人は、旅の資金と言って少しばかりだと思われるお金をくれた。・・・
そう、そこまではよかったヽ(^-^*)ノ
老人はあろうことか、ヒノメもいっしょに、お供として連れて行ってくれと言い出したのだ!
オレはすぐ、断ろうとした。・・・
しかし時すでに遅し^^;
ヒノメは、やる気満々のご様子だ。もう何を言っても聞かないだろう^^;
こうして、オレとヒノメの旅は始まらなくてもいいのに、始まってしまった・・・
普通の旅がしたかったのに^^;
普通の・・・普通の・・・普通の
⊂(゚Д゚,,⊂⌒`つ 
     


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