第五話



「ヒノメ!!!危な・・・!!!」
オレが言葉を発したのと同時に、トカゲモドキはヒノメに向かって武器を振り下ろそうとしていた。・・・
もう間に合わない;;
オレがそう思った瞬間・・・一瞬にしてトカゲモドキは消え去った!ヽ(×□×;)ノまさか・・・ヒノメが!?と思ったが、ヒノメはまったく動いていない様子だ。
オレが、ヒノメに声をかけようとした瞬間、他の場所からの声が響いた。
「おい!ヒノ!おまえこんなとこで何してるんだ。また、迷子なのか!?」
そこ声の主は、女の人だった。
背はヒノメよりも高く、ちょっと厳しそうな瞳が印象の子だ。
「あぁ〜♪あっちゃんやっぱり助けてくれたぁ〜♪ヽ(^-^*)ノ」
いきなり、ヒノメがその彼女に声をかけ始めた。
彼女は、ゆっくりヒノメに近づいてきた。そこで、ヒノメに一発!パシ〜ン!!!頭に、ハリセンをたたきつけた。
そして・・・
「こら!ヒノ。私が助けなかったら、普通に死んでるぞ」
「だってぇ〜;;絶対助けてくれるって信じていましたものぉ〜♪」
「相変わらず、ヒノらしい反応だな!よく今まで生きているものだ^^;」
《うんうん!オレも彼女に同感した》
名も知れない彼女は、トカゲモドキがいた所から刀らしきものを抜いた。そう、トカゲモドキは彼女が、放った刀によって倒されていたのだ。
・・・あんな場所から正確に。
彼女の持っていた、刀は彼女の手に触れると消えてなくなった。その代わりに反対の手には、ヒノメをたたいたハリセンが握られていた。
《ハリセンってここの人はみんな、ご都合主義で出せるのだろうか^^;》
それはともかく、オレは彼女に話しかけた。
「あの〜?すいません。君は、誰なんですか?」
彼女は、オレをにらみつけた。
「おまえこそ、誰なんだ?ヒノに危ない思いさせて!おまえから名乗るのが礼儀だろ。」
・・・ちょっとむかついたけど、ここは素直に答えておくべきだと思い、
「オレの名前は色。ヒノメといっしょに旅をしている者だ。」
「そうなんですぅ〜♪私といっしょに、旅をしている勇者さんなんですよぉ〜!えっへん♪(ノ≧∀≦)ノ」
彼女は一言
「ふ〜ん。また勇者様気取りのやつか」《ぬぁんだとぉ〜!この娘〜!!!》
と思ったオレは、思わず剣の柄に手をかけた・・・
それと同時にオレの首筋に、彼女の刀の剣先が今にも刺さりそうなぐらいの位置にあった^^;
さっきまで、なかったはずの刀が。
「なんなの?」
彼女は一言。
《ごめんなさい。神様・・・いやお姉さま^^;私が全部悪いんです;;》 オレは心の奥で叫んだ。 (ほんとに根性なしの主人公なこと(笑) そこに、ヒノメが割って入ってきた。
「あっちゃん!この人は勇者さんなんですよぉ〜♪こんなことしちゃダメなんですよぉ〜!メッ!!!」
彼女はやっとで、刀を納めた・・・いや消した^^;
「っで!ヒノ、その勇者さんとやらとまた同じことやっているのか!」
「はい♪そうですよぉ〜!また勇者さんと旅しているんですよぉ〜☆えっへん(ノ≧∀≦)ノ」
彼女は、自慢げに話した。
彼女は、またか!って感じの顔をして
「それでヒノ!また私の村に行く途中に、近道をしようと言い出して迷子になっていたのか?」
「ピンポンピ〜ンポ〜ン♪大当たりですぅ〜!私の笑顔をプレゼントですぅ〜♪」
ヒノメは、ニコニコ笑っている^^;
「はぁ〜やっぱりか。」
「はい!やっぱりですぅ〜♪」

・・・・・・・・・・

バシ〜〜ン!!!また、ハリセンの音がこだました。
「いったぁ〜い;;あっちゃんなにするですかぁ〜!」
「毎度毎度、道に迷って・・・何度もこの森に入ったことあるだろう!?」
オレは、
「えぇっ!この森初めてって、森で迷っている時に言っていたのに・・・!」
ヒノメは、不思議そうな顔をしながら、
「えぇ〜!今日はいつもと違う獣道をたどって来てるから、迷子になっちゃったんですよぉ〜;;」《なんだそれ^^;》
だったら、いつもの獣道にしとけよとハリセンでつっこみたい気持ちでいっぱいだった。
「ヒノは、いつもと変わらないようだな。少しは変わってくれよ」
・・・「まぁ〜、今のヒノが一番いいんだけどね」
オレたちに、聞き取れない小さな声でつぶやいた。
彼女は、急にこっちをにらみつけて
「あなた、シキって言う名前でしたね!」
「私の村に行くんでしょう!?あなただけだと、ヒノが心配なのでいっしょについていってあげます。」
オレは、
「あの〜・・・」
「私の名前はアクアです」・・・
オレが聞こうと思ったのに^^;先に言われてしまった。そしてすぐに、アクアは歩きだした。オレとヒノメはすぐに後を追った。
ヒノメはオレのすぐ横に来ると、アクアに聞こえないように小さな声で
「あっちゃんは、こう見えてもけっこうやさしいんですよぉ〜♪嫌わないであげてくださいねぇ〜♪」
そう言うと、ヒノメはニコニコしながらまた歩き出した。

オレは、先ほどから気になることを、アクアに質問してみた。
「あの〜。アクアさっきの刀はどこから出して、今はどこにあるの?」
ちらっと、こっちを見るとアクアはあきれたように説明した。
「お前、そんなことも知らなかったんですね・・・しかたがない教えてあげましょう」
《どうせ知りませんよぉ〜!バカにしたように言いやがって(ν○'-')=○)ζ'):;';、》
と、思いつつも絶対に声に出しては言えない^^;
「あなたが言っているのは、この刀ですね!」
とアクアが言うと。手に刀が一瞬にして現れた。
「この刀は・・・いえ!武器は好きな時に呼び出せるし、しまう事もできるのです。」
「ある特定の力を持った、女性のみに仕える武器・・・いえ!魔法と言ったところでしょう。」
「武器の種類は決まっていなくて、その人に合った武器が使える。」
一通り説明が終わった頃に、前々から思っていた質問をしてみた。
「あの〜?ハリセンも同じ原理なんでしょうか!?」
その質問に、アクアは少し戸惑いつつ
「正直、このハリセンについてはまったくのなぞだ^^;」
「なにか注意する時などに、勝手に出てくる。私の意識とは関係なく!出し入れも自由にできん^^;」
オレはあれ!?っと思った。
「ヒノメは好きな時に出し入れしてるみたいだけど・・・ヽ(×□×;)ノ」・・・
「ヒノだけ、なぜかできるんだ。好きな時に!」
アクアはちょっと困った様子で言った。
「そうなんですよぉ〜♪私だけ好きな時にハリセン出せるんですよぉ〜!」
「これが私の武器みたいですねぇ〜ヽ(^-^*)ノ」
ヒノメは相変わらず、ニコニコしゃべっている。
「ヒノの本当の武器は、あっ!・・・」
急に黙りこんだ。
「アクア?いったいどうしたんだ!」
するとすぐに
「お前には関係ない・・・」
二人は沈黙した。そう二人は・・・
ヒノメだけは、いつもの通りさわいでる^^;いつもの通りみぞに、はまりながら泥だらけで・・・(ノ≧∀≦)ノ
そうこうしているうちに、村が見えるところまで来ていた。
アクアの村は、ほとんど人の気配がなくヒノメのところの村にくらべて、静かだ・・・かなり静かだ。
すでに、日が落ちていたので今日はアクアの家に泊まることになった。
ヒノメの家とは違い、きれいだった。
っていうよりも、まったく物がないと言った方が正しい。家に着いてすぐに、ヒノメとアクアは、部屋の奥の方に・・・
オレに
「ここで待ってなさい」
ときつい口調で一言残して・・・

そして・・・ご期待通りに、水の音が聞こえてくる♪
《きたぁ〜!やっぱりきたぁ〜!オレを裏切らない作り手よ。ありがと〜(ノ≧∀≦)ノ♪》
(またでちゃいました!ご都合主義☆)
手馴れた様子で、気配を消し
(この時ばかりは、ちゃんと消せるらしい♪主人公の根性です(笑)
こそこそと、ゆくっり確実に近づいて行く・・・
やはり、二人でお風呂に入っている様子だ・・・着替えらしきものが近くに置いてある。オレはゆっくり、布をめくった!
《いたぁ〜♪》
ヒノメがそして、アク・・・?

アクアがいない^^;先ほど確かに、二人の気配がしたのに・・・

そう考えているうちに、背筋に寒気が・・・

暖かいはずのお風呂場で^^;

・・・・・・・・・・・・



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