第八話



3人はただ呆然と立ち尽くしているだけだ・・・ドサッ!。。。
アクアがトゲから落ちて、地面に横たわった。動かない!しかしその時!!!
くしざしに、されていた8人目のアクアが水になって消えた。

「どれが本物かわからなければ、すべて砕けばいいことだ・・・」

なんと、アクアの声だ。
アクアは、ゼリーもどきのちょうど真上の上空にいた!ちょうど落下してきている。「な・・・な・ぜ・・きさま・が」
「奥義弐式は、もともと複数の敵と戦う時か、一式を討つためのただの目暗ましにしかすぎん」
また、アクアの体は青く光り・・・

「奥義一式・・・乱れ散散花(みだれさんさんか)」・・・

目に止まらない速さ・・・
いや写らない速さで相手を斬り刻んでいく!そして、アクアが地面に降りると同時に、ゼリーもどきの体は粉々になっていた。
そう、すべての宝石を砕ききったのである。あの一瞬で・・・

「・・・少々疲れました」・・・「どうしたの?みんな!」
「アクアぁ〜;;」
「あっちゃん〜;;」
「おつかれ。。。」
「シキ、ヒノ、いったいどうしたの?」
「だって死んだと、思っただろう!」
「そうですよぉ〜;;あっちゃんが死んじゃったですぅ〜;;8人もぉ〜;;」
「久々だね。。。今のワザ。。。」

・・・・・・

「えぇっ!!!」
シキとヒノメは同時に、声をあげた。
「アヅチ!おまえ今の全部最初から、お見通しだったのか?」
「うん。。。前見たことあるし。。。」
「なら、最初から言っておいてよ^^;」
「て、敵に作戦バレるといけないと思ったから。。。」
「そ、そうなんだ^^;」
「私が、死んでしまったと思ったんだな・・・すまない」
「まぁ〜、とにかくみんな助かってよかったですぅ〜♪」
ヒノメが、ぴょんぴょん飛び跳ねた!やっと、重い空気は消え去った。

さて!いよいよ洞窟の中に入ろうと、オレたち4人は洞窟の入り口に前に来た。
洞窟の中は、真っ暗で何も見えないと思いきや!ぼんやり明るくて、目が慣れれば見えないことはない。
周りのコケがぼんやり発光して、少し明るくなっているのだった。オレたちは、ゆっくりとその洞窟に入って行った。
中は思ったより、広いことがわかった!
4人が横一列にならんで歩いても、まだ余裕がある。^^オレたちが、数十分歩くと道が二手にわかれていた・・・
こっちは、4名!2人ずつに分けて探すか・・・それとも、やはりみんなで進むのが無難か・・・すると、アクアが
「ここは二手に分かれて、早めに探した方がいい!」
「これを、持っていけ!」
そういうと、アクアは笛らしき物をオレにわたした。
アクアが言うに、この笛は『遠心伝の笛』といって、すごい音で遠くにいる人に、何かの合図をする時に使っているらしい。
多少広くても、洞窟の中なら響くからどこにいても聴こえるだろうということだ。そして、オレたちは誰と誰が組むか話しあった。
一応、戦力的にオレとアクアは別々になることにした!問題は、ヒノメとアヅチをどう分けるかだ。アヅチについては、未知数だし!ヒノメは、いつもあんな感じだし・・・
ヒノメは今、おばけごっことか言って、アヅチを驚かせようと一生懸命恐い顔をしようとがんばっている。
しかし、どんなにがんばっても顔は、楽しくてニコニコ笑顔だ(笑)
「おばけですよぉ〜!がおぉ〜ヽ(^-^*)ノ」
アヅチもアヅチで、少しは恐がるフリでもすればいいのに、だまってヒノメを見つめている。
そのせいで、ヒノメは絶対驚かせようと、真剣にがんばっている様子だ!

「お・・い聞い・いる・か?シキ・」

「おい!シキ」・・・
はっ!!!オレは、アクアに話しかけれられていたらしい!
「分け方は、これでいいだろう?」
《オレは、まったく聞いてなかった;;》そこで、もう一度確認のために復唱してくれと頼んだ。
「ちゃんと聴いていたのか?・・・もう一度言うぞ!」
「ヒノは、私と一緒に行く!アヅは、シキと一緒に行動すること!」・・・
アヅチと、一緒で大丈夫なんだろうかと思ったが、アクアが決めたことだしこの組み合わせが一番、戦力的に安定かつ安全に行けるのだと納得してしまった。ヽ(^-^*)ノ
そして、オレたち二つのグループは、分かれ道を別々に歩いて行った。何かあったら、先ほどの笛を鳴らし、すぐこの場所に集まるということになった。
アヅチは、オレのすぐ後ろをだまってついてくる。まるで、背後霊のように^^;
静かだ・・・何の音も聴こえない。聴こえるのは、自分たちの足音ぐらいだ。そこに、上から滴がアヅチの頭に落ちてきた。ポタッ!・・・
「きゃっ。。。」
アヅチは、オレに抱きついてきた。そのままバランスを崩して、倒れてしまいそうになったのでアヅチを支えオレが下敷きになった。
「ふぅ〜・・・、アヅチもけっこう恐がりなんだな!大丈夫か・・・^^;」
オレの手が、アヅチをちゃんと支えている!しかし、支えている部分が問題だった。ちょうど、アヅチの胸をわしづかみにしている状態だ(ノ≧∀≦)ノ
(久々のご都合主義きたぁ〜♪)
《子どもっぽいが、胸はけっこうあるみたいだな(σ・∀・)σ》
ってオレは、何を考えているんだろう・・こんな時に^^;
オレは
「ご、ごめんアヅチ;;」
とすぐにあやまった。アヅチは顔色一つ変えずに、
「助けてくれて。。。ありがと。。。」
と言うと、すぐに立ちなおした。オレもすぐに、立ちなおした。そして、アヅチはオレの目の前に来て、小さな声で
「すけべ。。。アクアに言うから。。。」
はっ!!!《今度、こんなことしたのバレたら・・・絶対殺されるヽ(×□×;)ノ》
そう、思ったオレは
「ごめん;;ごめん;アヅチ!もうこんなことはしません!何でも言うこと聞くから、ゆるして!アクアに言わないでくださいアヅチ様〜♪」
すると、アヅチは少し微笑み、照れながら小さな声で
「て、手をつないでくれる?」
と言ってきた!・・・
《えぇ〜!!!ヽ(>□<;)ノオレは、びっくりしたが!》
すぐに
「いいよ」
って返事を返した。
そう言われると、アヅチはオレの手をちょこんとつかんだ。
一瞬照れてるように見えたが、またすぐに普通のアヅチの表情になった。
「早く行こう。。。」
と、オレの手ををひっぱる。オレは、ちょっと照れながら、しかもうれしそうに
「あぁ〜!一緒に行こう」
と言い、また歩き始めた。

一方、ヒノメとアクアは戦闘中であった。色たちのルートとは、まったく異なって敵がウヨウヨいたのである。
吸血こうもりや、でかいムカデ、亡霊など・・・数え切れないほどである!
アクアは、奥義弐式で複数の敵を同時に相手している。ヒノメは、あっちこっちバタバタ走り回っている♪・・・

色とアヅチは、広い広場みたいな場所に出ていた。
「うわぁ〜!広い場所だなぁ〜・・・」
「うん。。。広いね。。。」
広場の向こうに、大きな扉らしきものがそびえ立っていた!扉の横には、大きな石像がある。オレたちは、さっそく扉を開ける為に扉に向かって歩き出した。
扉の前に行くと・・・やはりかなりでかい扉だ!4,5メートルはありそうだ。
そして色が、扉を開けようと触れた瞬間!隣の石像が、動き出してしまったのだ!!⊂(゚Д゚,,⊂⌒`つ
そう!いわゆるゴーレムってやつだ。オレはすぐに、アヅチの手をひいてその場をすぐに離れた。

ドォ〜ン!!!

オレたちがいた場所は、ゴーレムのパンチにより大きく地面がへこんでしまっていた。
オレは、剣を抜くとアヅチを後ろに行かせゴーレムに向かって突進して行った。
ゴーレムは大きいだけあって、動きはそれほど早くない。色はすぐにふところにもぐりこむと、剣で一太刀!!!
カキーン・・・
しょぼい傷が付いただけだ^^;
オレは、すぐにゴーレムから離れた!動きが遅いとは言え、あんなに接近してたら避けにくい!
さらに、一撃でもまともにあんな攻撃をくらってしまうと、致命傷になりかねない;;
オレは、アヅチのとこに戻り
「やばっ^^;オレの攻撃が効かないんだけど・・・」
「笛吹こうか?アヅチ?」
するとアヅチは
「だめ。。。あっちはあっちでたいへんなんだから。。。」
「この程度のことは。。。私たちだけでやらないと。。。」
そう言うと、アヅチは手を上にかざした!すると、武器が・・・!!!
その小さな体型には似合わないほどの、大きな斧だった。アヅチと、同じぐらいの大きさもあった。
「アヅチ。。。行きます。。。」
と、言うとゴーレムに向かって走り出した。あんなに大きな斧を持っているのに、オレよりも早いかもしれない^^;
一瞬でゴーレムの目の前まで来ると、斧を一振り!!!

ザシュッ!!!

斧は大きく、ゴーレムにくい込んだ。アヅチはすぐに離れ、ゴーレムとの間合いをとった。
アヅチが付けた傷が、みるみるうちに治っていく!どうやら、ちょっとやそっとの攻撃ではダメージを与えられないらしい。
「しかたがない。。。」
「奥義。。。大旋風!!!(だいせんぷう)。。。」
そう言うと、アヅチはすごい勢いでぐるぐる回り始めた。その勢いはすごいもので、アヅチを中心に周りには竜巻ができている。
そして
「えい!。。。」・・・
すごい勢いで斧が、回転ながらゴーレムに向かっていく!そして・・・

ドゴォ〜ン!!!

すごい音とともに、ゴーレムの腕がぶっ壊れた!アヅチが手を、上にかざすとまた斧が出てきた。いくつでもだせるらしい!
先ほど投げた斧は消えてしまっている。オレは、ゴーレムの腕がちぎれたので
オレは
「よっしゃぁ〜」と叫んだ。・・・
しかしなんと、ゴーレムの腕はまたすぐに復活してしまった;;
「やっぱり中心を破壊しないといけないみたい。。。」
そう言うとまた・・・
「奥義。。。大旋風。。。」・・・

グサッ!!!

今度は、ゴーレムの体の中心にヒット!しかし、刺さっただけでダメージを受けてない。またすぐに、回復をし始めた。
「ど、どうしよう?アヅチ!」
「・・・。。。」
「こんな時は、水晶で占う。。。」
アヅチは、いつも小さな水晶をお守りとして持ち歩いていた。しかし・・・
「あれ?ない;;。。。」
水晶がないらしい!オレとアヅチは、落としてないか回りも見回した!
すると、ゴーレムのすぐ近くに光るものが落ちていた。最初にふところに潜り込んだ時に、落としたのであろう。
アヅチが
「あっ!。。。」 って声をあげる前に・・・

ドスーン!!!

ジャストミートでゴーレムが踏んづけてしまった・・・ヽ(×□×;)ノ
「あ。。。ぁ。。。」
アヅチは泣いているようだ;;すすり泣く声がする。オレが、声をかけようと近づいた時だった。
いつもは、小さな声でしゃべるアヅチが、すごい声で・・・

「この子。。。うざい。。。」

目つきもいつものアヅチと違い、恐さを感じる。アヅチは、斧を出し地面に突き立てると、地面に斧を突き刺しつつすごいで突進していった。
斧が地面にずっと触れているので、すごい土と砂煙である。
それを、ゴーレムはカウンターをするように待ち受けている!腕を思いっきり後ろにひいている!
アヅチは、ゴーレムの前まで行くと、思いっき上の方へジャンプした!
ゴーレムの真上である・・・ゴーレムは上から落ちてくる、アヅチにカウンターをくらわそうと待ち受けている状態だ!
オレは
「危ないアヅチ!このままだと、カウンターでやられてしまうぞ!空中では回避できないぞ」
するとアヅチは一言

「避けないから。。。」・・・


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